Amazon Web Services ブログ

【開催報告】Girls Meet STEM in AWS 2026 を開催しました

こんにちは!Girls Meet STEM in AWS 運営メンバーの守田です。2026 年 8 月 21 日、AWS は中高生女子の皆さんを 2026 年に開設したばかりの新オフィスにお迎えし、「自分のアイデアを AI アプリにする」体験をお届けしました。私は普段、アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 (以下、AWS) でソリューションアーキテクトとして働いています。

イベント概要

AWS は「Girls Meet STEM」に参加し、東京都港区の麻布台ヒルズの新オフィスにてイベントを開催しました。

「Girls Meet STEM」は、公益財団法人山田進太郎 D&I 財団が大学や企業と協力して実施するツアー形式のプログラムです。中高生女子が STEM(科学・技術・工学・数学)分野で働く人や学ぶ学生、実際の現場に触れることで、将来の可能性を広げる機会を提供します。

今回は 34 名の中高生の方々にご参加いただきました。「AWS ってどんなビジネスをしている会社?」「クラウドってなに?」といった紹介から始まり、生成 AI 体験ワークショップ、オフィスツアー、AWS 社員によるパネルディスカッションを実施しました。特に生成 AI 体験ワークショップに関しては、AI と会話することが当たり前になっている皆様に、もう一歩踏み込んで、AI を”使う”側から、自分のアイデアを形にする”作る”側へという体験をお届けしました。

プログラム詳細

1. 生成 AI 体験ワークショップ 〜 自分のアイデアをアプリにする 〜

ワークショップでは、AWS の有志を中心に開発された生成 AI アプリケーション「Generative AI Use Cases (GenU)」の「ユースケースビルダー」機能を使いました。ユースケースビルダーは、タイトル・説明・プロンプトテンプレート(AI への指示文)を入力するだけで、コードを書かずに自分だけの AI アプリを作れる機能です。裏側では Amazon Bedrock を通じて生成 AI モデルが動いています。

当日は、まず参加者の方々に「どんな AI アプリがあったら、自分や身のまわりの人が嬉しいか?」を考えてもらいました。テーマが決まったら、ユースケースビルダーにタイトルと説明を入力し、AI への指示となるプロンプトテンプレートを自分の言葉で書いてアプリを作成。完成したアプリを実際に動かして、思ったとおりの答えが返ってくるかを確かめ、うまくいかなければプロンプトを書き直して何度も試す——という流れで、自分だけの AI アプリを一から作り上げていきました。

このワークショップのポイントは、「AI に何をさせたいかを自分で設計する」という点です。生成 AI を利用する際は出力を受け取るだけですが、アプリを作る際は、入力項目の定義とプロンプト(AI への指示)の設計を自分で行う必要があります。参加者の皆さんには、この設計プロセスを通じて、アプリ開発の基本的な考え方を体験いただきました。

参加者の方々は、自身の興味や日常からテーマを設定し、テスト対策アプリ、恋愛相談に乗ってくれるアプリ、ファッション相談アプリ、読書感想文作成アプリなど、身近な悩みを解決するアプリを動く形へ落とし込んでいきました。「自分でアプリを作るのは難しいと思っていたが、実際に自分が使いたくなるようなアプリが作れてとても楽しかった」といった声もいただきました。

ユースケースビルダーの基本的な使い方や画面イメージについては、GenU の開発ガイドで詳しくご紹介しておりますので、あわせてご覧ください。

昨年からのアップデート — 「考えを”図”にしてくれる AI」

今年、参加者から好評だったのが、生成 AI が文章を”図”に変換してくれる体験です。GenU のユースケースビルダーは画像の出力ができず、テキスト出力が主ですが、フロントエンドが Markdown 内の mermaid コードブロックを検出し、SVG としてレンダリングする仕組みが備わっています。例えば、「興味を入力すると将来の職業をおすすめしてくれるアプリ」を作った場合、マインドマップ形式で職業を表示することが可能です。

「職業おすすめ AI」のプロンプトテンプレート

先ほど例に挙げた「興味を入力すると将来の職業をおすすめしてくれるアプリ」は、次のようなプロンプトテンプレートで作成できます。難しい設定は必要なく、「新規作成」からタイトル・説明・プロンプトテンプレートの 3 つを入力するだけです。

プロンプトテンプレートには次のように記述しました。

あなたは中高生の進路相談にのるキャリアアドバイザーです。
以下の「興味のある分野」をもとに、関連する職業と必要なスキルをマインドマップで提案してください。

<興味のある分野>
{{text:興味のある分野}}
</興味のある分野>

作成したアプリで「興味のある分野」に「IT」と入力して実行すると、関連する職業のジャンルから具体的な職種、必要なスキルまでが枝分かれしたマインドマップが表示されます。

図の左上に「図を表示」「コードを表示」の切り替えボタンがあり、生成 AI が実際に出力した Mermaid のテキストをその場で確認できます。描画された図は SVG や PNG としてダウンロードすることも可能です。「画像が生成された」ように見えるものが、実際にはテキストから描かれていることが、この切り替えで一目でわかります。

Mermaid(マーメイド)はテキストで図を記述するためのダイアグラム記述言語で、生成 AI が出力しているのは画像ではなく、あくまでこの記述テキストです。参加者にとって Mermaid 形式は見慣れない内容ですが、画像以外にも図を表示する手法があるという観点に気づいた参加者の方もいました。

マインドマップに続いて、タイプ別のおすすめ職業や「今からできること」といった文章も出力されます。図と文章を組み合わせることで、全体像を俯瞰しながら具体的な行動まで確認できる構成になります。

2. オフィスツアー 〜 「働く場所」のイメージが変わる 〜

会場となった麻布台ヒルズ 森JPタワーの新オフィスをめぐるツアーを実施しました。このオフィスのデザインは日本の四季と伝統的な庭園文化にインスピレーションを得ており、働く人の活力と創造性を高める工夫が随所に散りばめられています。

参加者からは「パソコンがずらっと並んだ部屋を想像していたけれど、全然違って驚いた」「オフィスが綺麗で驚いた」「季節を意識したり、トンボをイメージしたライトなど、建物の工夫が面白かった」といった声が寄せられました。

3. AWS 社員によるパネルディスカッション 〜 進路の「軸」を見つける 〜

AWS で活躍する 4 名の女性社員が登壇し、学生時代の経験や、文理・進路の選択、なぜ今の仕事を選んだのかについてお話ししました。参加者の中には、文理の選択やなりたい職業について悩んでいる方が多くいました。そこで、AWS 社員も同じような悩みを抱えていたこと、そしてどのような興味をたどって今の仕事に行き着いたのかをお話しし、進路を考えるヒントをお伝えしました。「将来のことはほとんど決められていなくて不安でしたが、いろいろな経歴を経て今の職に就いた社員の方のお話を聞いて、自分なりのやりたいことの軸を見つけていけたらいいなと思いました。」といった感想もいただきました。

参加者の声

  • 「自分好みの生成 AI を作ることができること、いままであまりよく知らなかった職業を知ることができたこと、会社員の方の高校時代のおはなしなど、とても学びが多い時間でした。今回の経験が自分の将来に必ず役に立つと感じました。」
  • 「理系と文系を行き来した方のお話から、モチベーションと自分の中での軸があれば、自分の夢が叶うことがわかりました。」
  • 「プログラミングに興味があり、日常で聞いていた AWS についても知れました。現役社員さんのお話は、進路を決める時にすごくためになりました。社内ツアーで社内を見せていただくことで想像もでき、少し楽しみになりました。」

参加者をサポートした AWS メンバーの声

  • 「アプリを作れたという成功体験に、参加者が喜んでいました。『すごい!』という素直な感想が出たり、うまくいかなかったらサイクルを回すという試行錯誤ができたりと、良い経験になっていたと思います。」
  • 「グループワークでは、進路相談などの雑談も一緒にできました。皆さんやりたいことがたくさんあって素晴らしかったです。」

昨年 2025 年夏に開催した Girls Meet STEM in AWS の様子は、昨年の開催報告ブログでご紹介しています。あわせてご覧ください。

著者について

Ririka Morita

守田 凜々佳 (Morita Ririka)

Amazon Web Services Japan G.K. のソリューションアーキテクトとして、ISV/SaaS 業界のお客様を中心に、AWS をご利用になるお客様を技術面でサポートしています。好きなサービスは Amazon Quick です。週末はヴァイオリンの演奏を楽しんでいます。